病院から「退院は来週です」と告げられ、老人ホームを探す時間が1週間しかないという方は少なくありません。最初の一手は、病院の相談員に「退院日までに入居先を決めたい。希望条件をお伝えするので、今日中に面談の時間をください」と伝えることです。

この記事では、残り7日前から当日までの動きを日付順に並べ、診断書・面談・契約・搬送のどこで何を用意するかを整理します。

  • 7日前から当日までの「やることリスト」(表)
  • 診断書・面談・契約・搬送それぞれの用意と相談先
  • 日程が合わないときのつなぎ方と、紹介会社を使う場面

退院まで1週間と言われたら、最初に誰へ何を伝える?

最初に連絡する先は、入院先の相談員(医療ソーシャルワーカーや退院調整の担当者)です。電話でも病棟でも構いません。伝える内容は、退院予定日、希望するエリア、月に出せる費用の上限、本人の要介護度(認定を受けている場合)の4点です。

介護認定を申請していない場合は、市区町村の窓口で申請が必要です。厚生労働省の介護サービス情報公表システムによると、申請から認定通知までは原則30日以内とされています(2026年11月3日確認)。1週間では結果が出ない可能性があるため、申請は早い日に済ませておくと、その後の選択肢が広がります。

すでに要介護1以上の認定があるなら、担当のケアマネジャーにも同じ日に連絡してください。要支援の場合は、地域包括支援センターが窓口になるとされています。病院側と介護側の両方に「退院日と探している条件」を同じ言葉で伝えておくと、後の調整が楽になります。

7日前から当日まで、どの順で動くと進めやすい?

日数ごとの動きを表にまとめました。「この順で動くと進めやすい」という行動の提案であり、入居までの所要日数の目安や保証ではありません。病院や施設の事情で順番が前後することもあります。

時期(残り日数)やること相談先用意するもの
7日前退院予定日・希望条件を相談員とケアマネに伝える。認定がなければ申請する病院の相談員/ケアマネ/市区町村窓口保険証、介護保険証(あれば)、希望条件メモ
6日前候補施設の資料を集め、空室と見学可否を電話で聞く相談員/ケアマネ/紹介会社本人の状態メモ(医療行為の有無、歩行、食事)
5日前診断書や診療情報の提出を病院に依頼する。書類の種類は施設に確認病院の相談員/候補施設施設指定の書式(あれば)、依頼の控え
4〜3日前見学または面談。本人が動けない場合は家族のみで見学し、施設側の面談日程も押さえる候補施設の相談員質問リスト、本人の服薬一覧、筆記具
2日前入居先を絞り、契約書・重要事項説明書の内容を確認する施設/ケアマネ印鑑、身分証、家族の連絡先一覧
1日前契約手続き、費用の支払い方法の確認。搬送手段と持ち物を決める施設/病院の相談員契約書類、持ち物リスト、本人の着替え
当日退院手続き、病院から施設への移動、施設での受け入れ面談病院/施設退院時の薬と書類、会計用の現金・カード

表の中の「5日前」の診断書は、施設ごとに求める書類が異なります。何が必要かは、見学の電話の時点で施設に聞いておくと、依頼のやり直しを減らせます。

診断書・面談・契約・搬送で、何を準備する?

施設は入居前に、本人の健康状態や必要な医療行為を確認します。その材料として、診断書や診療情報提供書の提出を求められることがあります。書式と記載内容は施設により違うため、病院へ依頼する前に「どの書類が、いつまでに必要か」を施設に確認してください。

病院側の準備にも日数がかかる場合があります。書類を頼むときは「退院日は○日、施設への提出は○日までに必要です」と日付つきで伝えると、相談員が段取りを組みやすくなります。

面談では、施設の相談員が本人の状態と家族の希望を聞き取ります。伝えておきたいのは、服薬の種類、たんの吸引や胃ろうなどの医療行為の有無、食事の形態、認知症の症状、転倒の有無です。入居できるかどうかの判断は施設と病院が行うため、家族が結論を先読みせず、事実を正確に渡すことに集中してください。

病状の細かな見立ては、病院の主治医や相談員に確認してください。ここで書いた内容は一般的な流れであり、個別の医療判断ではありません。

契約の前に確認したいのは、月額費用の内訳、入居一時金の有無、退去になる条件、医療行為への対応範囲の4点です。書面でもらい、持ち帰って家族で読める時間があるか聞いてください。急いでいても、署名の前に重要事項説明書を読む時間を取れるよう、施設に相談してください。

搬送は、本人の状態で手段が分かれます。歩行や車の乗り降りができるなら家族の車、座位が保てない場合は介護タクシーや民間の救急搬送などの利用が一般的です。どの手段が使えるかは、病院の相談員に本人の状態を伝えて相談してください。

退院当日の持ち物は、退院時に渡される薬と書類、保険証、施設に届ける着替えと日用品です。名前の記入が必要な施設もあるため、前日までに施設へ確認しておくと、当日に慌てずに済みます。

関連記事: 退院調整のソーシャルワーカーが探してくれない時の頼み方

入居が間に合わないとき、つなぎはどう考える?

日程が合わない場合は、退院日から入居日までを埋める短期の利用先を探します。代表的なのが、ショートステイ(短期入所生活介護)です。厚生労働省の介護サービス情報公表システムによると、連続して利用できる日数は30日までです(2026年11月3日確認)。

利用者負担は、1割負担で1日あたり、併設型多床室の場合に要介護1が603円、要介護3が745円、要介護5が884円とされています。食費、滞在費、理美容代は別にかかります。予約は担当のケアマネジャー経由で行うのが一般的なので、認定がある方は退院が決まった日に連絡しておくと間に合いやすくなります。

認定の結果が出る前に介護サービスが必要になった場合の扱いは、市区町村によって異なります。たとえば神戸市は、申請後から認定前に介護サービスが必要になった場合に暫定ケアプランで対応するとしています。お住まいの市区町村の窓口に確認してください。

つなぎの具体的な手順は、ショートステイを扱う記事で詳しく見られます。

関連記事: ショートステイでつなぐ退院後の入居待ち|予約と日数の手順

退院そのものが難しい場合の受け皿は、別の角度から整理した記事があります。

関連記事: 退院 老人ホーム 間に合わない時の受け皿3つと認定前の動き方

紹介会社に頼むなら、どの場面で使う?

病院の相談員やケアマネジャーだけでは候補が絞れないときに、老人ホームの紹介会社(入居相談窓口)を使う方法があります。LIFULL介護のコラムによると、紹介料は入居が決まった時に施設側が紹介会社に支払い、相談者の利用料は通常無料とされています(2025年7月更新)。

使いどころは2つあります。1つは、条件に合う施設を複数まとめて提案してもらいたい場面。もう1つは、見学の予約や空室確認を電話で代行してほしい場面です。公式サイトによると、シニアのあんしん相談室は相談・見学予約・見学同行・資料請求がいずれも無料で、受付は9:00〜18:00(平日・土日祝)です(2026年11月3日確認)。

LIFULL介護は、公式サイトに「LIFULL介護 入居相談室(無料)」の表記があり、運営は株式会社LIFULL seniorです(2026年11月3日確認)。どちらの窓口でも、最初に「退院予定日は○日です」と伝えると、日程に合う提案が受けやすくなります。

一方、紹介会社が向かないケースもあります。すでに病院の相談員が候補を出してくれていて、見学の日程も決まっている場合は、窓口を増やすと連絡が増えて負担になることがあります。相談の前に、病院から出た候補をメモにまとめておいてください。

よくある質問

Q. 退院日まで1週間で、本当に入居先を決められますか?

決められるかどうかは、本人の状態、希望エリア、空室状況で変わるため、一般論で答えられません。まず病院の相談員に今日の時点の状況を伝え、見学と面談の日程を押さえてください。間に合わない場合は、ショートステイなどのつなぎも並行して調べておくと、選択肢を残せます。

Q. 介護認定がなくても、老人ホームに入れますか?

施設の種類によって、入居の条件が異なります。介護保険の認定が必要な施設もあれば、認定がなくても入れる施設もあります。申請から認定通知までは原則30日以内とされているため、認定の申請がまだなら、退院が決まった日に市区町村窓口で申請しておくと進めやすくなります。

Q. 紹介会社への相談は、費用がかかりますか?

LIFULL介護のコラムによると、相談者の利用料は通常無料で、紹介料は入居が決まった時に施設側が支払うとされています(2025年7月更新)。会社ごとの条件は異なるため、最初の電話で「相談から入居まで、私の側に費用は発生しますか」と聞いて確かめてください。


本記事の情報は2026年11月時点で公開されている情報をもとにした目安であり、紹介会社・施設・自治体によって条件は異なります。退院時期や介護度に関わる判断は、病院の相談員・ケアマネジャー・自治体窓口にご相談ください。