親の退院日が決まり、老人ホームの紹介会社を複数に頼むべきか迷っている方は少なくありません。1社だけだと提案の幅が心配で、複数社だと連絡が増えそうで、どちらも不安になるところです。
結論から言うと、複数社に頼んでよいかは会社ごとに扱いが違うため、最初の電話で各社に聞くのが近道です。頼む場合は、同じ条件メモを全社に渡し、1週間で「提案を見比べる日」と「断る日」を先に決めておくと、連絡が増えても動けます。
この記事で分かることは次の3つです。
- 複数社に頼む順番と、最初に聞く一言
- 条件の伝え方と、同じ施設が重複したときの対処
- 各社に聞く質問チェックリストと、断り方の考え方
最初の一手は、気になる会社へ電話して「他の窓口にも相談していますが、問題ありませんか」と聞くことです。
複数社に頼んでよいかは、各社への質問で確かめられます
複数の紹介会社を使うときの扱いは、会社ごとに違う可能性があります。そのため、「頼んでよいか」を自分で断定せず、相談の入口で聞いてしまうのが早い進め方です。
聞き方は簡単です。「退院予定日が近く、他の窓口にも相談しています。複数社に頼んだ場合、こちらの対応はどうなりますか」と伝えてください。答えを聞く目的は、禁止かどうかの判定ではありません。複数社の依頼を前提に、提案の連絡先や頻度をどう整えるかを決めることです。
紹介会社は、入居が決まったときに施設側から紹介料を受け取る仕組みで、相談者の利用料は通常無料とされています(LIFULL介護コラム、2025年7月更新)。そのため会社側から見ると、入居が決まらない相談は収入になりません。複数社に頼むと、会社の側も早めの提案や連絡を意識する場面がありえます。気になる場合は、各社に確かめてください。
まず2社から。順番は「届出の有無」と「窓口の種類」で決めます
最初から多くの会社に頼むと、連絡の整理に追われやすくなります。まず2社に絞り、足りなければ追加してください。
1社目は、退院日が近い方なら電話で空室確認や見学予約まで進められる窓口が向いています。たとえばシニアのあんしん相談室は、公式サイトによると(2026年11月3日確認)、相談・見学予約・見学同行・資料請求がいずれも無料で、受付は9:00〜18:00(平日・土日祝)です。電話で空室確認・資料請求・見学予約ができると案内されています。
2社目は、条件の違う窓口を選ぶと提案が重なりにくくなります。たとえばLIFULL介護は「入居相談室(無料)」を設けており、運営は株式会社LIFULL seniorです。掲載施設数は延べ59,000施設以上と案内されています(公式サイト、2026年11月3日確認)。
選ぶときの目印として、高住連の紹介事業者届出公表制度があります。届出は毎年更新で、公表期間は毎年10月から翌年9月末です。届出は高住連への入会を意味しない点も、公式サイトに書かれています。検索ページで会社名を調べられるので、依頼前に確認してみてください。届出がない会社が不適切という意味ではなく、あくまで判断材料の一つです。
関連記事: 老人ホーム紹介の断り方|電話・メール別の文例と断る時期
1週間の動かし方:提案を見比べる日と、断る日を先に決めます
退院日が迫っている場合の、動かし方の例です。日数は行動の提案であり、入居までの所要日数の目安ではありません。
| 日 | 動くこと | 各社に伝えること | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 条件メモを作る。病院の相談員にも内容を共有 | 退院予定日・要介護度・医療行為の有無・予算・希望エリア | 全社に同じ文面を使う |
| 2日目 | 1社目と2社目へ電話。複数社依頼の扱いを聞く | 他社にも相談中であること | 連絡手段と時間帯を指定する |
| 3日目 | 提案を受け取る。施設名を一覧にまとめる | 重複した施設は一方の窓口に任せたいこと | 同じ施設は窓口を1つに決める |
| 4日目 | 見学の候補を絞り、予約する | 見学同行・送迎の有無 | 日程が重なる場合は調整を頼む |
| 5〜6日目 | 見学し、費用の内訳と契約条件を確認 | 気になる点の質問 | その場で決めず持ち帰る |
| 7日目 | 提案を見比べ、使わない窓口に断りを入れる | 今回は依頼を終えたいこと | 理由は短く伝えれば足ります |
この表は、病院の相談員やケアマネジャーとの相談と並行して使う想定です。退院日や入居の可否は、まず病院の相談員に確認し、紹介会社の提案はその確認と合わせて検討してください。
条件の伝え方と、同時に頼むと起きやすいこと
複数社に頼むときに差が出やすいのが、条件の伝え方です。会社ごとに言い方が変わると、提案もばらつきます。次の5点を1枚のメモにして、文面のまま共有してください。
退院予定日、要介護度(認定中ならその旨)、医療行為の有無(たん吸引や経管栄養、インスリン注射など)、月額の予算の上限、希望エリアです。これに「見学に行ける日」を加えると、日程の調整が早まります。
条件を広くすると提案は増えますが、連絡も増えます。負担が心配な方は、希望エリアと予算の上限だけでも最初から絞ってください。
連絡手段も決めておきましょう。電話に出にくい時間帯がある場合は、「平日の夕方以降はメールでお願いします」と最初に伝えます。
複数社に頼むと、同じ施設を別々の窓口から提案される場面があります。同じ施設を複数の窓口が扱っていることがあるためです。
重複したときは、どちらの窓口から見学を申し込むかを1つに決めてください。同じ施設へ別々の窓口から申し込むと、施設側の連絡が混乱するおそれがあります。迷う場合は、見学同行や送迎を頼みたい窓口に寄せると決めやすいです。
連絡の量は、依頼する社数が増えるほど増えやすくなります。対処としては、条件を最初に絞る、連絡手段を指定する、使わない窓口は早めに断る、の3点が考えられます。
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断るときは、理由を詳しく説明する必要はありません。「他の窓口で進めることにしました」と一言伝えれば足ります。電話でもメールでも構いません。見学後や提案後でも断ってよい場面です。
また、成約後の金銭による誘導は、高住連の届出制度で倫理に反する行為の例に挙げられています(高住連公式サイト)。提案の中身よりも金銭面の話が先に出る場合は、その窓口を使うか見直す材料にしてください。
紹介会社に聞くべき質問チェックリスト
各社の最初の電話で、次の質問をそのまま読み上げて使えます。答えの良し悪しをその場で決める必要はなく、控えておいて7日目に見比べる材料にしてください。
| 評価軸 | 聞く質問 |
|---|---|
| 複数社依頼時の扱い | 他の窓口にも相談していますが、そのままお願いできますか |
| 複数社依頼時の扱い | 同じ施設が別の窓口からも出た場合、どう調整しますか |
| 対応エリア | 私の希望エリアで、案内できる施設はありますか |
| 提案までの日数 | 退院予定日を伝えたら、最初の提案までにどのくらいかかりますか |
| 見学同行・送迎 | 見学に同行してもらえますか。送迎はありますか |
| 入居後フォロー | 入居後に困ったとき、相談できる窓口はありますか |
| 取扱施設数 | 取り扱う施設は何件ですか。提携外の施設も案内されますか |
| 費用の根拠 | 相談が無料なのは、どこから費用が支払われるからですか |
| 高住連の届出 | 高住連の紹介事業者届出はされていますか |
| 連絡方法 | 連絡は電話とメールのどちらが中心ですか。時間帯の希望は通りますか |
シニアのあんしん相談室やLIFULL介護に相談する場合も、対応エリア・届出の有無・相談の具体的な手順は、電話で上の質問をそのまま聞いて確かめてください。
届出事業者は、2025年7月1日時点で全国703社とされています(LIFULL介護と高住連事務局長の対談)。
よくある質問
紹介会社を複数使うと、入居の条件が不利になりますか
扱いは会社ごとに違う可能性があるため、最初の電話で「複数社に頼んでいますが問題ありませんか」と聞いてください。答えは控えておくと、7日目に比べやすくなります。
同じ施設を2社から提案されたら、どちらに申し込めばよいですか
窓口は1つに決めてください。見学同行や送迎を頼みたい会社、連絡が取りやすい会社に寄せると決めやすいです。もう一方には「その施設は他の窓口で進めます」と伝えれば足ります。
断ったあとに連絡が続いたら、どうすればよいですか
断りの意思をメールなど文面で一度伝え、連絡手段を指定してください。それでも続く場合は、電話番号を着信拒否にするなど、自分が負担にならない方法を選んで構いません。退院日が迫る時期は病院の相談員にも状況を共有しておくと安心です。
本記事の情報は2026年11月時点で公開されている情報をもとにした目安であり、紹介会社・施設・自治体によって条件は異なります。退院時期や介護度に関わる判断は、病院の相談員・ケアマネジャー・自治体窓口にご相談ください。