退院日は決まったものの、入居先の空きが退院日に間に合わない。親の退院を控えて、そんな状況に置かれている方は少なくありません。退院日から入居日までの空白は、短期入所(ショートステイ)で埋める方法があります。見極めるポイントは、連続利用の上限が30日であることと、認定有効期間に対する利用日数の二点です。

最初の一手は、担当のケアマネジャーに電話をして「退院日と入居希望日がずれるので、ショートステイの空きを探してほしい」と伝えることです。この記事では、次の3つが分かります。

  • 退院日から入居日までを、誰に何を頼んで埋めるか
  • 連続30日の上限と、認定有効期間との関係
  • 1割負担の日額と、老健のショートとの違い

退院日から入居日までを埋める時系列はどうなる?

ショートステイは、介護が必要な方が施設に短期間泊まるサービスです。老人ホームの入居待ちのあいだ、自宅へ戻れない方の受け皿として使われます。次の表は、この順で動くと進めやすいという行動の目安です。日数や入居時期を保証するものではありません。

時期やること相談先用意するもの
退院日が分かった時点退院予定日と入居希望日のずれを伝え、ショートの空きを探してもらう担当ケアマネジャー退院予定日、要介護度、介護保険証
退院日の前週まで利用日程と施設を決め、サービス担当者会議の有無を確認するケアマネジャー、病院の相談員病院から出た医療情報、服薬の内容
退院日病院から直接ショート先へ移る送迎を手配する病院の相談員、ショート先持ち物(衣類・薬・保険証)、荷物の名前書き
ショート利用中老人ホームの見学・申込・契約の手続きを進めるケアマネジャー、入居相談窓口診断書の依頼、希望条件のメモ
入居日ショートの終了日と入居日をそろえ、荷物を移すショート先、入居先契約書類、入居時の持ち物

退院から入居までを1週間で動かす場合の進め方は、別に整理しています。関連記事: 退院まで1週間で老人ホームを探す|日数別やることリスト

ショートステイの予約は担当ケアマネにどう頼む?

ショートステイの予約は、担当のケアマネジャーを通すのが基本です。要介護1以上の方のケアプランは、居宅介護支援事業者のケアマネジャーに依頼します。要支援1・2の方の窓口は、地域包括支援センターです。厚生労働省の介護サービス情報公表システムが、この区分を案内しています(2026年11月時点)。

ケアマネジャーに伝えるのは、次の4点です。

  1. 退院予定日(病院から言われた日付)
  2. 入居希望日と、入居を考えている施設の状況
  3. 医療行為(たんの吸引、インスリン注射など)の有無
  4. 預ける期間の見込み

医療行為がある場合は、ショート先が受け入れられるかどうかが変わります。受け入れ可否は施設ごとに異なるため、ケアマネジャーに一覧で聞いてもらってください。

介護認定の申請が済んでいない場合は、先に市区町村の窓口で申請します。申請から認定通知までは原則30日以内とされています。認定の結果が出る前の暫定ケアプランの扱いは自治体により異なるため、窓口で確認してください。

ここまでの段取りを、入居相談の窓口と並行して進めたい方もいます。入居先探しが間に合うか心配なときは、相談窓口に退院日を伝えて同時に動いてもらう方法があります。

連続30日の上限と認定有効期間の関係は?

ショートステイの連続利用日数は、30日までです(厚生労働省・介護サービス情報公表システム)。入居日が退院日から1か月以上先になりそうなときは、この上限が最初の壁になります。

もう一つ見ておきたいのが、認定有効期間との関係です。認定有効期間は、新規・変更の申請で原則6か月です(3〜12か月の範囲)。箕面市の取扱いでは、ショートステイの利用は認定有効期間の半数を超えないこととされています。これを超える長期利用は「ロングショート」と呼ばれ、サービス担当者会議で必要性を検討し、ケアプランに位置づけます。施設入所など他の支援方法も合わせて検討する、という運用です。箕面市ではロングショートの事前申請は不要で、2回目のロングショートは保険適用が認められないと案内しています。

この半数ルールや回数の扱いは、市区町村により異なります。お住まいの市区町村の窓口かケアマネジャーに、「ロングショートに当たる利用日数は何日からか」を聞いてください。

30日を超えそうな見通しなら、早めにケアマネジャーへ伝えてください。退院の期限に入居が間に合うか迷うときの考え方は、別の記事にまとめています。関連記事: 退院 老人ホーム 間に合わない時の受け皿3つと認定前の動き方

ショートステイの1割負担はいくらかかる?

短期入所生活介護の1日あたりの利用者負担は、1割負担で次のとおりです(併設型・多床室の場合、介護サービス情報公表システムの記載)。

  • 要介護1:603円
  • 要介護2:672円
  • 要介護3:745円
  • 要介護4:815円
  • 要介護5:884円

これは介護保険の自己負担分です。食費・滞在費・理美容代は別途かかると明記されています。個室かどうか、施設の種類、加算の有無で金額は変わるため、見積りはケアマネジャーかショート先で確認してください。

たとえば要介護3で30日利用した場合、介護サービス分の自己負担の目安は745円×30日で22,350円です。食費・滞在費などの別途費用は含みません。実際の請求は、要介護度や個室かどうかで変わります。

老健のショート(短期入所療養介護)とは何が違う?

ショートステイには、種類が二つあります。短期入所生活介護は、特別養護老人ホームなどの福祉施設が提供し、日常生活の介護が中心です。短期入所療養介護は、医療機関・介護老人保健施設(老健)・介護医療院が提供し、医療的な管理やリハビリを受けられます。

どちらも連続利用は30日までです。老健での1割負担の例(従来型個室・基本型)は、要介護1で753円、要介護5で971円と案内されています。老健は在宅復帰を目指す方を受け入れる施設です。そのため、入居後も医療ケアが続く方や、退院直後でリハビリが必要な方が選ぶことがあります。

項目短期入所生活介護短期入所療養介護(老健)
提供する施設福祉施設(特別養護老人ホーム等)医療機関・老健・介護医療院
中心となる内容日常生活の介護医療・リハビリ・介護
連続利用の上限30日30日
1割負担の日額(例)603〜884円(併設型・多床室)753〜971円(老健・従来型個室・基本型)

どちらが合うかは、退院時の状態によって変わります。医療行為の有無や、リハビリの必要性を病院の相談員とケアマネジャーに伝えて、一緒に決めてください。転院という選択肢も含めた判断の順番は、別の記事で整理しています。関連記事: 転院か老人ホームか迷う時の決め方|医療・費用・期間の判断表

よくある質問

ショートステイは退院後すぐに使えますか?

空き状況による場合があります。ケアマネジャーが施設に空きを確認し、退院日に合わせて予約を取ります。退院日が決まった時点で連絡すると、日程を組みやすくなります。

30日を超えて泊まりたいときはどうなりますか?

連続利用の上限は30日です。超える見込みがあるときは、ケアマネジャーに相談してください。箕面市では、認定有効期間の半数を超える利用をロングショートとして、サービス担当者会議で検討する扱いです。他の市区町村の運用は異なります。

介護認定の結果が届く前でも使えますか?

市区町村の窓口で認定の申請を済ませ、窓口に暫定ケアプランの扱いを確認してください。認定通知までは原則30日以内とされています。入院中で調査に伺えない場合は遅れることもあるため、早めの申請が進めやすい順番です。


本記事の情報は2026年11月時点で公開されている情報をもとにした目安であり、紹介会社・施設・自治体によって条件は異なります。退院時期や介護度に関わる判断は、病院の相談員・ケアマネジャー・自治体窓口にご相談ください。