親の退院日が決まって老人ホームの紹介会社に相談したところ、電話やメールが毎日のように届き、仕事中も着信が続いて困っているという方は少なくありません。連絡の多さは会社の体質だけで決まるわけではなく、依頼の仕方で変わる部分もあります。この記事では、連絡が増える原因と止める伝え方、連絡が落ち着いている会社の見分け方を整理します。
この記事で分かることは次の3つです。
- 連絡が多いと感じる3つの原因と、それぞれの直し方
- 電話・メールで連絡を減らす伝え方
- 紹介会社に聞くべき質問10項目と、高住連の届出事業者検索で確かめる点
最初の一手は、次に連絡が来た時に「連絡はメールのみ、平日18時以降、週2回まで」と伝えることです。細かい理由は要りません。
紹介会社からの連絡が多いのはなぜ?原因は3つ
紹介会社は、相談者が入居を決めた時に施設側から紹介料を受け取る仕組みで動いています。LIFULL介護のコラム(2025年7月更新)では、紹介料は入居者の月額利用料の1〜3か月分程度、またはそれに相当する定額で設定されることが多いとされています。相談者の利用料は通常無料です。
この仕組みを知っておくと、連絡の意味が読み取れます。担当者は、退院日が近い相談者ほど早く提案したいと考えて動きます。空室の確認や資料の送付が相談の直後に集中しやすいのも、そのためと考えられます。
ただし、連絡の量は会社の姿勢だけでなく、依頼の側にも原因があります。
連絡が増えやすい依頼の仕方は、行動面で大きく3つに分けられます。下の表は、原因ごとの直し方をまとめたものです。
| 原因 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 条件を絞らずに依頼した | 希望が不明なため、紹介できる施設が広がり、提案の連絡が増える | 予算の上限・エリア・医療行為の有無を先に1通で伝える |
| 複数社に同時に依頼した | 同じ施設を別々の会社から提案され、確認の連絡も重なる | 依頼する社数を2社までにし、同時に使っていると最初に伝える |
| 連絡手段と頻度を決めていない | 電話が仕事中に入り、折り返しも増える | 手段・時間帯・回数を最初の面談で決める |
表の3つは、どれも相談の最初の段階で防ぎやすいものです。とくに退院日が迫っている時は、焦って複数社へ同じ内容を送りがちです。依頼文をひとつ作って使い回すと、条件のぶれも抑えられます。
条件の整え方は、病院のソーシャルワーカーに渡すメモと同じ項目で足ります。退院予定日、要介護度、医療行為(たんの吸引や点滴など)の有無、月々の予算、希望エリアの5点です。
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連絡を止める伝え方と断り方の例
連絡を減らしたい時は、「やめてください」よりも「こうしてください」と代わりの形を示す方が、担当者も動きやすくなります。電話に出られない方は、まずメールだけに切り替えます。
メールで送る場合は、次のように書くと要点が伝わります。
「ご連絡ありがとうございます。仕事の都合で電話に出られないため、今後はメールでお願いします。提案は週2回、火曜と金曜の夜にまとめて送ってください。見学したい施設が決まった時は、こちらから連絡します。」
電話で伝える場合は、次の一言が使えます。「今は家族で条件を整理しているので、次の連絡はこちらからします。」この後に連絡が続く時は、窓口の会社名と日時を控えておき、2回目に「連絡は不要です」と書面で伝えます。メールの文面に残すと、あとで確かめられます。
すでに別の会社で見学の予定が決まった場合は、その旨と、ほかの会社の提案を一時止めたいことを伝えてください。
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連絡の頻度が落ち着いている会社の見分け方
連絡の頻度は、依頼前に完全には分かりません。それでも、制度の側から確かめられる点が2つあります。
1つ目は、高住連(高齢者住まい事業者団体連合会)の紹介事業者届出公表制度です。届出は毎年更新で、公表期間は毎年10月から翌年9月末までとされています。遵守項目に違反や虚偽があった場合は、公表が取り消されることがあります。届出は高住連への入会を意味しないため、「届出がある」は「入会している」とは別の話です。届出事業者の検索ページで、依頼先の会社名を入力すると確かめられます。届出事業者は、2025年7月1日時点で全国703社と対談記事で紹介されています。
2つ目は、成約後の金銭による誘導の有無です。高住連の遵守項目は、倫理に反する行為の例として、成約後の金銭等による誘導、状況に応じた手数料設定、ソーシャルワーカー等へのリベートを挙げています。入居の決定を促す仕組みが強いほど、担当者が連絡を重ねる動機も強まる可能性があります。会社のページに入居後の金銭の案内が大きく出ていないか、相談の前に見ておくと判断しやすくなります。
向かない使い方もあります。届出があっても、連絡の頻度そのものが保証されるわけではありません。届出の有無は、判断材料のひとつと捉えてください。
紹介会社に聞くべき質問チェックリスト
最初の電話やメールで、次の10項目を聞いてみてください。回答の良し悪しはその場で決めず、メモに残して比べるのが目的です。
- 対応エリアは、親の希望する市区町村を含みますか
- 退院予定日を伝えたら、最初の提案まで何日かかりますか
- 連絡手段はメールだけにできますか。電話をかける時間帯は指定できますか
- 見学の同行や送迎はありますか。費用はかかりますか
- 入居後のフォローは、何を、いつまで行いますか
- 取り扱う施設数は、どのエリアにいくつありますか
- 相談者が無料で利用できる根拠は何ですか(施設からの紹介料でまかなわれる仕組みか)
- 高住連の届出事業者検索に、会社名が載っていますか
- 成約後に、金銭による案内や特典はありますか
- ほかの紹介会社にも相談している場合、同じ施設が重なった時はどう扱いますか
とくに3番と10番は、連絡の多さに直結します。回答を聞いて、相談者の都合に合わせて連絡の形を変えられるかどうかを確かめてください。
関連記事: 老人ホーム紹介センターが無料なぜ?紹介料の流れと確認点
連絡が止まらない時の次の手
伝えたのに連絡が続く場合は、いくつかの手があります。まず、窓口の会社に「連絡を停止してほしい」とメールで書面を残します。次に、見学や契約の前にその会社を挟む必要があるかを見直します。
退院が迫っていて、病院のソーシャルワーカーとケアマネジャーだけでは探しきれない時は、紹介会社を1社に絞って使う方法もあります。1社なら連絡窓口も1つで済みます。シニアのあんしん相談室は、公式サイトによると相談・見学予約・見学同行・資料請求のいずれも無料で、受付時間は9:00〜18:00(平日・土日祝、2026-11-03確認)です。LIFULL介護の「入居相談室」も、無料で相談できると案内されています。
自分で連絡を管理したい人は、まず病院の相談員とケアマネジャーに頼み、足りない部分だけ紹介会社を使う形が向きます。連絡を任せたい人は、1社にまとめて任せる形が向きます。
よくある質問
一度断ると、あとで相談しにくくなりますか
断ったことだけで相談しにくくなるとは限りません。連絡を止めた後でも、必要になった時にこちらから連絡すれば、改めて相談できるのが一般的です。断る時は「今は必要ない」と伝えるだけで足ります。
紹介会社の連絡先に、個人情報を伝えて大丈夫ですか
伝える情報は、退院予定日・要介護度・予算・希望エリアの範囲に絞ってください。病名や住所の詳細は、見学の段階で必要になった時に伝えれば足ります。
届出事業者でない会社は避けるべきですか
届出がない会社が不適切とは言えません。届出は、制度上の確認手段のひとつです。届出がない会社に依頼する時は、上のチェックリストで費用の根拠と成約後の案内を聞いてください。
本記事の情報は2026年11月時点で公開されている情報をもとにした目安であり、紹介会社・施設・自治体によって条件は異なります。退院時期や介護度に関わる判断は、病院の相談員・ケアマネジャー・自治体窓口にご相談ください。